退職

今日、12年勤めた職場を退職しました。実際の退職日は3月31日で、新たな職場での勤務開始が4月1日ですから一日も空いていません。12年間の間に、インドネシアスーダン、フィリピン、イエメン、アフガニスタンと勤務しました。今は、アフガニスタンから日本に向かう途中、経由地であるインドのデリーにいます。

 

またいろいろ書く機会もあると思いますが、12年間は職務を行っていたと同時に修士、博士課程の学習も同時に行った期間でもありました。修士課程は通信でしたので、同級生が皆、何らかの職務を行っている、また日本にいない人も多いという環境でした。そのように学生が実務を行っている、世界各地に散らばっていることをむしろ利用したプログラムでした。

 

しかし、博士課程にはそのようなプログラムはなく、通学している学生と基本的には同じ修了をこなすこととなりました。お世辞もあるでしょうが、よく「大変ですね」とか「よく終わりましたね」とか言われます。確かに大変なこともありましたし、博士論文を書いている最中は「果たして本当に終わるのか?」という恐怖心と常に戦っていたように思います。

 

ただ、仕事をしながら博士課程を行ったことによるメリットもあったと思います。まず、私は人道支援や開発支援の国際的な潮流といった国際政治的な視点と、それを受ける人々の日常といった人類学的な視点の融合を試みていました。よって、現場、フィールドがどうしても必要だったのです。専任の学生さんがこれをやろうとしても、時間やお金も掛かりなかなか難しいのではないでしょうか。また、常に仕事に追われている感、時間がない感があり、学業を先延ばしにできない環境も有効に作用したと思います。

 

4月からは研究が職業の一部となります。今まで海外における国際協力や、強制移動(英語ではforced migrationといういい表現がありますが、日本語は連想しにくい名称となっています。平たく言えば「何らかの理由で、望まない移動を強いられた人々」を指します)に関する研究を行って来ました。これからは、この視点をそのまま日本に当てはめて研究をしようと思っています。つまり、フィールドが日本になったという感じです。でも、日本に強制移動などあるのでしょうか?実は、結構あります。この辺は、おいおい書いて行きたいと思います。